飲食店経営失敗はよくあること!借金問題をいかに解決するかが重要

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飲食店経営をしたいと考える人は多いです。「いつかは自分の店を持ちたい!」を長年夢を見続けている人もいるので、チャンスがあれば、借金をしてでもとりあえず開業したいと考える気持ちも分からなくはありません。
でも、飲食店経営は、「成功率が低い・ランニングコストが高い・利益が少ない」の3拍子揃ったおいしくないビジネスなのです。
飲食店はなぜ失敗するのか?
新しく飲食店ができてもすぐにつぶれてしまうお店ってよくありますよね。飲食店経営が失敗することは珍しいことではないのです。
飲食店の傾向調査によると、
1年未満で閉店した割合は34.5%、2年以内で閉店した割合は15.2%。合計すると49.7%となり、約半数の飲食店が2年以内に閉店しています。【営業年数別の閉店割合】
株式会社シンクロ・フード:閉店しやすい飲食店の特徴が明らかに!?
1年未満 | 2243件(34.5%) |
---|---|
1~2年 | 987件(15.2%) |
3~5年 | 1364件(21.0%) |
6~10年 | 1113件(17.1%) |
11~15年 | 380件(5.9%) |
16年以上 | 407件(6.3%) |
2年以内に半数が閉店する程、経営が難しいのですから、2年たっても閉店はしない飲食店でも経営状態が黒字とは限りません。店主の貯金を切り崩したり借金をしたリしてなんとか維持させている飲食店も少なくないでしょう。
つまり、飲食店経営は、失敗するのではなく、少なくとも2,3年は赤字覚悟で、その間の店の運営コストを用意できるだけの資金が必要であるということです。小さなお店だとしても、数千万円の余裕資金を用意する必要があります。
これとは別に、開店資金も必要ですから、5000万円から1億円近いお金がかかり、3年ぐらいたって、この先やっていけるかどうかが初めて見えてくる感じです。
当然ですが、きちんと戦略を立て、店の立地・メニュー・調理方法・接客・内装・宣伝広告などをしっかり行ったうえでの話です。
ちゃんと考えられている飲食店でも、オープン当初こそ珍しさでお客様が来てくれますが、2か月後・3か月後となると、客数ゼロの日もあるでしょう。景気が悪い影響を受けたり、狂牛病などの外部要因で客足が遠のくこともあります。テレビに取り上げられて一時的にお客さんが増えることもあれば、お金をかけて宣伝をしたけれど失敗に終わることもあります。その様な商売繁盛の波を踏まえても、トータルで見ると、開業から数年間は厳しい状況であることが普通です。
成功する飲食店の中には、食のブームを作り出そう様な勢いを持ち、行列ができるお店となって、短い期間に何店舗も新規出店をする場合もありますが、それはほんの一握りです。たまたま時代の流れに乗ったという運の要素も大きいのではないでしょうか。
ほとんどの飲食店は、借金といつ閉店に追いやられるかもしれないという心配を常に抱えて、ギリギリの状態でなんとか営業していると言っても過言ではありません。
お金がないなら撤退見極めが重要
今飲食店経営をしていて、売上が思ったように上がらず、資金繰りに困っているならば「どうやったら売り上げが上がるのか?」だけを考えるのは間違っています。
店を経営するためにやるべきことはいろいろありますが、どれも費用がかかるからです。例えば
- チラシを作ったり、広告をうったりして、宣伝広告に力をいれる
- 店の雰囲気をよくするために内装工事をする
- 新メニュー開発をする
- 接客改善のため教育費をかけたり新しく人を採用したりする
- 営業時間を長くする(人件費がかかる)
これらのことは、全くやっていないわけではないでしょう、試行錯誤するためにはお金がかかるのです。しかも、やってみたところで、それが売り上げにつながるとは限りません。
それに、店の立地が問題であれば、どれだけ頑張っても無駄になるかもしれません。
つまり、何をやるにもお金が必要なので、施策を行っても効果があらわれないこと前提にして、いくらお金を使えるのかをしっかりと計算する必要があるのです。
お金がないなら撤退するしかありません。
あなたがどれだけ優秀な人であっても、成功する確率の低いことをやっているのですから、借金をしてまでそれにかけるのは無謀な話です。
しかも、飲食店を閉める場合、テナントに退去を申し出てから数か月分は家賃が発生するものです。厨房機器のローンや、閉店前の営業に掛かる人件費や食材費もあるので、数百万円は必要でしょう。
これらのお金を払える余裕があるうちに撤退を決断しないと、店を失った後に残るのは、借金です。
借金しなかったおかげで次の店を出せた事例
私の知り合いのAさんは飲食店を経営していて、今のお店は2店舗目です。
1店舗目は約1年で撤退の決断をし、居抜きで店を引き継いでくれる人を探して、半年で譲渡することができました。
内装などがまだ新しいうちに引継ぎができたので、数百万円のお金を得ることができ、しばらくしてから2店舗目を立地がよくて広い場所にオープンさせたのです。
1店舗目の経営では自分の給料をとることがほとんどできませんでしたが、借金はしていなかったので、譲渡益を含めると、トータルでトントンくらいになったとのこと。
「無料で勉強ができたと思えば安いもんだ!」といって、2店舗目には、失敗から学んだことをたくさん活かしたそうです。
飲食店経営を閉店しても人生は終わらない
一度飲食店経営に失敗しても、2度3度とチャレンジし、成功をつかむ人もたくさんいます。失敗しても再起できるならば、チャンスは一度限りではないのです。
なので、大事なのは、いかに、傷を浅くして早めに失敗できるかです。
長年夢に見た飲食店経営に、数か月で見切りをつけることは、大きな決断が必要でしょう。でも、閉店を決断しても、そこで、ジエンドではないのです。
一つの飲食店を閉店しても、あなたの人生はまだまだ続きがあります。
すでに借金があったとして、なるべくその額を少なくするのは、うまくいっていない飲食店事業で挽回しようとするのではなく、確実に収入をえられる別の手段でマイナスを取り戻し、またチャレンジするための資金を貯める事ではないでしょうか。
皮肉なことに、飲食店経営への思い入れが強い人ほど、撤退の決断がつかず、抱える借金の額が多くなってしまう傾向があります。
逆に、ビジネス目的で飲食店を始めた人は、採算が合わないと感じたらすぐに撤退できるので、傷が浅くて済み、また次の出店チャンスをつかみやすくなり、経験を積み重ねられることで成功の確率が上がるのです。
飲食店経営に思い入れがある人こそ、冷静な判断を心掛けて、いつの日か飲食店経営を成功させましょう。
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