バンドマンが借金をしてはいけない理由

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借金をしている人が多そうなイメージがある職業の一つがバンドマンではないでしょうか。
「好きなことをやり続けて夢を追いかけること」はなかなか出来る事ではないので、それを正当化して「夢を追いかけているのだから借金してもOK」と思ってしまっては大間違いです。
そこで、バンドマンが借金をしてはいけない理由をまとめました。
目次
バンドマンの成功とは?
「成功すれば借金なんて返せるから大丈夫」と、漠然と思っていませんか?
バンドマンの成功とは、どういう状態でしょうか?
出演したライブハウスが満員になる
100人収容できるライブハウスが満員になるほどお客さんが来てくれたとします。
友達にチケットをあげて来てもらったのではなく、全員がチケット代を購入してくれたとします。
チケットの額面3000円でライブハウスの取り分が500円。残りを5人組バンドのメンバーで折半するとなると、1人500円なので、50,000円が貰えることになります。
100人集めるのって結構大変です。毎日連日満員なんてまぁありえないでしょう。
月に4回それができれば、人気バンドと言えるかもしれません、それでも、手元に入るのは20万円です。
そこから、生活費、家賃、交通費、衣装代、スタジオ代、楽器代、打ち上げの飲食代など差し引いたら、おそらくマイナスになると思われます。
「バンドで成功」というイメージが、実際の金銭的には成功と呼べる金額にならないのであれば、それを当てにしての借金なんてとんでもありません。
日本中の誰もが知っているバンドになる
テレビに出たり、CDチャートでトップ10に入ったり、CMや映画の主題歌となったり、そんな人気バンドもあります。
しかし、それは、宝くじに当たる様な確率の低いことです。
宝くじに当たれば借金を返せるからといって、収入の確保をせずに、有り金を宝くじ購入に充てる人はいませんよね。
メジャーデビューする
メジャーデビューしてもCDを数枚出して売れずに契約解除となるバンドはたくさんあります。
今のご時世では、名前のしれているアーティストでもCDの販売枚数が数百枚とか、数千枚ということも珍しくありません。
印税を1~2%とすると、1万枚売れても10~20万円しか入ってきません。
借金を抱えるリスク
ライブハウスを満員にしたリ、メジャーデビューでCDをリリースしても、まとまったお金が入ってこないこともあります。
ライブが盛り上がって満足感を得ても、もらえるお金は比例するとは限りません。
どれだけ演奏スキルが高くなっても、有名になってライブのお客さんが増えるとも限らず、稼げる人気バンドになれるのは、ほんの一握りの人だけです。
このような、成功への道過ぎが不透明で、成功する確率が低い状況は、あきらかにハイリスクです。
リターンについても、高いリターンの期待はゼロではありませんが、あっても低いリターンしか見込めません。
ハイリスクローリターンの状況に、借金を抱えてまで賭けるのは、自殺行為です。
音楽の出世払いで多額の借金返済を考えているならば、非現実的すぎます。
借金をするまえに考えてほしいこと
借金をしようとしているバンドマンには、以下のことを考えてみてください。
- 今時、二足のわらじはあたりまえ。副業やWワークをして頑張っている人はいます。二つも三つも成功させている人もいます。お金がないなら、バイトすればいいのでは?
- ライブのチケットノルマが払えない?宣伝告知はどれだけ努力した?ブログ・twitter・facebook・youtubeどれだけ活用してる?
- 機材や楽器を買いたいのは分かるけど、借りることはできない?最安値探した?本当に必要?それがなきゃどうしても表現できないことってあるのかな?技術は足りている?無理してまで買う必要が本当にあるのでしょうか?
- 生活費の節約はしてる?バンドマンだからって豪快な生活をしなくちゃいけないわけではない
- 売れるためのバンド活動計画や資金繰りの計画は立ててる?
- お金がないのに身なりにお金をかけすぎるのはカッコイイことではない。カッコよさってもっと別のことでも表現できるのでは?
- ライブ終わりの打ち上げってお金をかけなくてもできるよね?毎回飲んで大騒ぎするのがミュージシャンなの?すぐに帰ってライブの反省する人もいるよね?
- たばこ代ってバカにならないもの。時代は禁煙の風向きになっているし、ストイックな人たちは健康面や時間の無駄を考えてタバコを吸わない人も多いです。タバコが音楽のアイコンだった時代はとっくに終わっています。お金がないならタバコは辞めよう。
普通の仕事をしている人も、ミュージシャン以外の夢がある人も、目標に向かって頑張っている人はいます。
でも、ミュージシャンは、「音楽をやっている」というだけで、活動内容がどのようであっても、それだけやっていれば、なんとなく許されてしまうような雰囲気があります。
だから、音楽活動において本気の努力をする前に、簡単に借金に頼ってぬるい生活を続ける人が多いです。
音楽で成功するような人は、お金のやりくりも上手いことできるものではないでしょうか?
安易に借金をする前に、生活の仕方や音楽活動の内容の見直しをするべきだと思います。
バンドマンが借金をしてしまったら
10万円をバンド活動で稼ぐことはとても大変ですが、10万円の借金は簡単にできますね。
しかも、返済が滞れば、借りた10万円はどんどん膨れ上がっていきます。
前述の通り、バンドマンの夢見ている「成功」は、リターンの額が低いものだということはお分かりいただけたかと思います。
それなのに、借金をしてしまった場合、まずは、収入を増やすことに力を入れる必要があります。
よくある方法は、アルバイトをすることです。
音楽から離れたくなければ、音楽系のアルバイト的な仕事をするのもよいでしょう。
仮歌入れ、譜面おこし、コンサート会場スタッフ、音楽会社スタッフ、音楽スクール講師、プログラマー、音響・照明スタッフ、PAエンジニア、レコーディングエンジニア、音楽スタジオ・ライブハウススタッフ、楽器店店員、アーティストマネジャーなど。
音楽の知識や技術を活かしてできる仕事はたくさんあります。
しかし、収入を増やすことを目的とする場合、カッコよさを求めず、プライドもおさえて仕事選びをすることが必要です。
目指すべきミュージシャンという仕事と、夢をかなえるまでの生活費の為の仕事を完全に切替て分けて考える事です。
中途半端にプライドを保てる範囲の音楽系の仕事を選ぶと、時給が低くてそもそもの意味を見失います。
借金を返済することを目的とするなら、自分のできる仕事の中で、なるべく時給の高いものを選びましょう。
生活の為に始めた仕事が思いがけず楽しいものになることもありますし、意外な才能を発揮することもあります。生活に余裕が出ることで音楽活動が上手くいく事ももちろんあります。
バンドで成功する事の確率が低いことであるならば、なるべく長く続けられると、成功する可能性は大きくなります。
そのためには、借金を整理し、生活基盤を整えて、長い人生をかけてずっと音楽をやり続けていくこと・・・。それもまた、バンドで成功するという一つの形ではないでしょうか。
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